浴槽の設計をする際に気になるポイントの1つが、「縁の高さ」でしょう。
時代の変化と共に浴槽の縁の高さは変化しており、またぎやすい高さで設計するのがポイントです。
ここでは、従来における浴槽の縁の高さや、実際に使用する際にまたぎやすい縁の高さ、浴槽の縁を低くするメリットなどを解説します。
Contents
浴槽の縁の高さはどれくらい低いのが理想?
ここでは、浴槽の縁について、従来の高さや理想的な高さを紹介します。
従来の浴槽は縁が高かった
従来の日本風の浴槽は縁が高く、60~65cm程度ありました。
もし床に据え置くタイプの浴槽であれば、腰の位置にも届くほどの高い位置まで足をあげる必要があり、転倒の危険性があります。
昨今の高齢化が進んでいる日本の住宅においては、これほど縁の高い浴槽はあまり適しているとはいえないでしょう。
またぎやすい浴槽の縁の高さは?
またぎやすい浴槽の縁の高さは、40~45cm程度だと考えられており、現在作られている浴室の浴槽もこの間の高さになっているのが一般的です。
また、肩まで温まれるようにするため浴槽の底が洗い場よりも低くなっていることも多くあります。
たとえば、先ほど紹介した縁が40~45cmの高さの浴槽の場合、浴槽の底から縁の上まで48cm~50cmと、洗い場と浴槽の底を比べれば一段低く設計されていることが多くあるのです。
浴槽の縁が低いメリットと低すぎる際のリスク
ここからは、浴槽の縁が低いことによるメリットと、低すぎた場合の危険性について解説します。
浴槽の縁が低いメリット
浴槽の縁を低くするメリットとしてまず挙げられるのは、浴槽への出入りがしやすくなることです。
足を高く上げて無理な体勢をとる必要がないため、快適さが増すでしょう。
また、浴槽の出入りがしやすくなれば、その分転倒の危険性は低くなります。
先ほどご紹介した通り、高齢者や子どもなどが高い位置まで足を上げるのは大変であり、縁の高い浴槽はバランスを崩す危険性が常に付きまといます。
浴槽の縁は低ければ低い方が良い?
浴槽の縁を低くすれば浴槽への出入りがしやすくなり、転倒の危険性は減りますが、だからといって、低くすればするほど良いというわけではありません。
まず、あまりに縁が低くなると、その分浴槽の底が低くなり、かえって浴槽に入りにくくなります。
また、低い縁だと幼い子どもが容易に縁を越えてしまい、浴槽でおぼれてしまう可能性があるため非常に危険だといえます。
浴槽で子どもがおぼれてしまうケースは意外と多いのです。
やはり浴槽の縁の高さは40cm~45cmの間が理想的であり、それ以上に低くはしないのが無難でしょう。
まとめ
浴槽の縁は従来こそ高かったものの、現在ではまたぎやすい高さに設計されることが一般的になっています。
浴槽の縁の高さを低く設計することで浴槽への出入りがしやすくなり、転倒の危険性も減らすことができるでしょう。
ただし、あまりに浴槽の縁の高さがないと、かえって出入りしにくくなり、幼児が事故に巻き込まれる可能性が高まりますのでご注意ください。