一般的な浴槽のサイズと種類を紹介!材質ごとの特徴も

浴室をリフォームする際、浴槽を大きく広くしたいという方も多いのではないでしょうか。
自宅でも足を伸ばして湯船にゆったりつかれたら、たまった疲れも癒せそうですよね。

本記事では、一般家庭によくある浴槽のサイズと種類をはじめ、浴槽の材質ごとの特徴まで徹底解説します。
ぜひ参考にしてください。

在来工法の浴槽サイズ

はじめに、ユニットバス(システムバス)が広く普及する前の浴室の浴槽サイズについて紹介します。
ユニットバス以前は在来工法という日本独自の工法で浴室が作られており、在来工法で作られた浴室を在来浴室と呼ぶ場合もあります。

在来浴室の浴槽サイズは統一されていません。
ユニットバスのように工場で大量生産された既製品ではないため、キリの良いサイズでない場合がほとんどです。

在来浴室からユニットバスにリフォームする際、このサイズの差によって浴槽と壁の間に中途半端な隙間ができるおそれがあります。
隙間があると、浴槽のサイズが小さく見えてしまうという欠点も。

ユニットバスの浴槽サイズ

ユニットバスは工場で大量生産された既製品を、現場で組み合わせて設置するタイプの浴室です。
浴槽と壁の間に隙間ができないよう設計されており、規格サイズは下記のように定められています。

サイズ 浴室内寸(短辺×長辺) 必要坪数(外寸) 設置住宅の例
1014サイズ 1000mm×1400mm 0.75坪 マンション・集合住宅
1116サイズ 1100mm×1600mm 0.75坪 マンション・集合住宅
1216サイズ 1200mm×1600mm 0.75坪 マンション・戸建て
1217サイズ 1200mm×1700mm 0.75坪 マンション・戸建て
1317サイズ 1300mm×1700mm 0.75坪 マンション・戸建て
1418サイズ 1400mm×1800mm 0.75坪 マンション
1616サイズ 1600mm×1600mm 1.0坪 マンション・戸建て
1618サイズ 1600mm×1800mm 1.25坪 マンション・戸建て
1620サイズ 1600mm×2000mm 1.25坪 マンション・戸建て
1621サイズ 1600mm×2100mm 1.25坪 マンション・戸建て
1624サイズ 1600mm×2400mm 1.5坪 戸建て
1717サイズ 1700mm×1700mm 1.0坪 マンション・戸建て
1818サイズ 1800mm×1800mm 1.5坪 戸建て

お住まいの住宅によって設置できるユニットバスの浴槽サイズは決められています。

浴槽サイズは高さにも注目!

浴槽を設置・交換する際は、浴槽サイズの高さにも注目しましょう。
浴槽のフチをまたぐ際に、不安を覚えるような高さは避けた方が無難です。

高齢者のいる家庭ではとくに、浴槽への出入りする際の転倒が問題になります。
またぐ動作が困難な場合は、できるだけ浴槽の高さを低くした方が良いでしょう。
洗い場の床と浴槽底面の高低差をなくすと、危険性を軽減させられますよ。

浴槽の湯量

浴槽サイズ以外にも、見るべき点はまだまだあります。
続いては代表的な浴槽メーカーTOTOのユニットバスで使用する浴槽ごとの湯量について紹介します。
肩までしっかりつかってゆっくり暖まりたい方、必見です。

クレイドル浴槽

あたたかなお湯で全身を包まれるような入浴感を味わえるクレイドル浴槽。
クレイドル浴槽の特徴は下記のとおりです。

  • 首回りの負担を軽減させる高いヘッドレストを採用
  • 全身を包み込むような美しいカーブと滑らかな曲面
  • 全体的に余裕のある広々設計
  • 腕をかけやすい形状のフチ
  • マタギ部分を低くした安全設計

クレイドル浴槽のサイズとそれぞれの湯量は以下のとおりです。

浴槽サイズ 満水時(深さ100%)の湯量 深さ70%時の湯量
1620/1616/1818/1618 293L 188L
1717 303L 197L
1317 242L 159L
1216/1220 233L 152L

ラウンド浴槽

節水効果が高く、お年寄りやお子さまのいる家庭でも積極的に採用されているラウンド浴槽。
ラウンド浴槽の特徴は下記のとおりです。

  • 浴槽への出入りと立ち上がりをサポートするリム
  • 肩と背中をサポートする柔らかく張り出した形状
  • 半身浴にも利用できる滑り込み防止の浴槽内ステップ
  • ゆったりとしたアームレスト
  • 高い節水効果

ラウンド浴槽のサイズとそれぞれの湯量は以下のとおりです。

浴槽サイズ 満水時(深さ100%)の湯量 深さ70%時の湯量

浴槽サイズ 満水時(深さ100%)の湯量 深さ70%時の湯量
1620/1616/1818/1618 265L 158L
1717 281L 168L
1317 267L 172L
1216/1220 249L 163L

ワイド浴槽

洗い場に張り出した形状が印象的なワイド浴槽。
曲線状のステップはお子さまの出入りやお年寄りの腰掛としても使えます。
ワイド浴槽の特徴は下記のとおりです。

  • 握りやすいリム
  • 安全に配慮した曲線状のステップ
  • 首を安定させる滑らかな形状

ワイド浴槽のサイズとそれぞれの湯量は以下のとおりです。

浴槽サイズ 満水時(深さ100%)の湯量 深さ70%時の湯量
1620//1818/1618 330L 205L

スクエア浴槽

直線でスタイリッシュな印象のスクエア浴槽。
外観によらず、首・背中をやさしく曲面で支えてくれます。
スクエア浴槽の特徴は下記のとおりです。

  • 直線を活かしたスタイリッシュな浴室を実現
  • 全身をしっかり支える柔らかな背あたり
  • 握りやすいリムで出入りの際も安心
  • 滑らかな形状で首回りもサポート

スクエア浴槽のサイズとそれぞれの湯量は以下のとおりです。

浴槽サイズ 満水時(深さ100%)の湯量 深さ70%時の湯量
1620/1616/1818/1618 317L 203L
1717 303L 212L

スーパーワイド浴槽

親子や夫婦、複数人で入るのに最適なスーパーワイド浴槽。
面積に余裕のあるファミリー向け戸建てに向いています。
スーパーワイド浴槽の特徴は下記のとおりです。

  • 握りやすいリムで立ち座り時も安心
  • 向かい合って入浴できる半身浴ステップ
  • 首を安定して支える滑らかな曲面

スーパーワイド浴槽のサイズとそれぞれの湯量は以下のとおりです。

浴槽サイズ 満水時(深さ100%)の湯量 深さ70%時の湯量
1624 442L 267L

高断熱浴槽

最近増えてきているのが、浴槽自体に高い保温機能を持たせた「高断熱浴槽」。
追い焚きの回数を減らし、光熱費の削減に一役買ってくれます。

高断熱浴槽の特徴は以下のとおりです。

  • 専用の風呂釜で熱を浴槽内に閉じ込められる
  • 浴槽内部に断熱材(発泡スチロール)を入れて熱を外に逃がさない
  • 断熱防水パン(発泡ポリプロピレン)で床下の冷気を浴槽内に伝えない

従来の浴槽内のお湯は1時間に約1℃下がると言われています。
一方、高断熱浴槽は4~5時間で2.5℃以内の温度低下。
家族で入浴時間が異なる場合でも、追い焚きいらずで温かいお湯につかれます。

浴槽のフタも高断熱にすると、より高い保温効果を得られますよ。
リフォームの際にはぜひ検討してください。

浴槽の材質

最後に、浴槽の質感や見た目、お手入れのしやすさを左右する材質について紹介します。
本記事で紹介する材質は下記の6種類です。

  1. 人工大理石・人造大理石
  2. FRP
  3. ステンレス
  4. ホーロー
  5. 木製
  6. タイル

それぞれの材質の特徴をしっかりおさえましょう。

①人工大理石・人造大理石

実は、人工大理石は大理石ではなく、大理石風に見える素材を指します。
アクリル樹脂やポリエステル系樹脂から作られており、風合いや質感は本物の大理石にかなり近いです。

人工大理石の特徴は以下のとおりです。

  • 色や柄の選択肢が多い
  • 耐水性が高い
  • 滑らかな表面で汚れがつきにくい
  • お手入れしやすい

人工大理石はアクリル系とポリエステル系に二分されます。
アクリル系は高級感あふれる独特の透明感や光沢を有し、ポリエステル系よりも耐久性に優れています。
ポリエステル系は比較的低価格で、取り入れやすい浴槽の材質です。

人工大理石が完全に人工的な樹脂から作られた素材である一方、人造大理石は天然の大理石を用いた半人工素材です。
本物の大理石を使用している場合、人造大理石の方が高い価格になります。

②FRP

FRPは「FiberReinforcedPlastic(ファイバー・リーンフォースド・プラスチック)」の略称で、日本語に訳すと「繊維強化プラスチック」です。
樹脂とガラス繊維を混ぜて作られます。

FRPの浴槽はかなりお手ごろな値段で、ラインナップも充実。
一般家庭に広く普及している浴槽の素材です。
軽量でカラーバリエーションが豊富なだけでなく、耐久性や保温性にも優れています。

人工大理石・人造大理石よりも汚れや傷がつきやすいデメリットはありますが、メンテナンスの際のコーティング剤の塗布などで補うことも可能です。

③ステンレス

どこかレトロな印象を受ける、ステンレス素材でできた浴槽。
高い耐久性・耐熱性を誇り、傷つきにくくサビに強い特徴があります。
汚れや悪臭もつきづらく、長く清潔な状態を保てます。

金属の冷ややかな見た目から敬遠する人もいますが、合金のステンレスは熱伝導率が低いのも魅力。
浴槽の外側が冷たくても、浴槽内のお湯の温度は高いままなのです。
ステンレス浴槽の下部に発泡ウレタンが吹き付けてある場合は、さらに高い保温効果を発揮します。

従来のステンレス浴槽は狭いイメージですが、最近では大きなサイズも展開されています。
塗装を施されたカラーステンレス浴槽も人気ですよ。

④ホーロー

鉄やアルミニウムなどの金属表面に、ガラス質の釉薬(ゆうやく)を高温で焼きつけた素材が、ホーローです。

鋼板タイプと鋳物タイプに分かれ、鋳物タイプの浴槽はなんと数百万円が相場。
肌触りの良さと独特の光沢があり、人気の衰えない素材です。

⑤木製

高級温泉旅館にあるような、贅沢な木製の浴槽。自宅で楽しめたら、最高ですよね。
浴槽によく使われる木材としては、ヒノキ・ヒバなどの針葉樹が挙げられます。
とくにヒノキは抗菌・抗カビ作用や防臭効果が高く、リラックスできる香りを発する点からも人気です。

木製の浴槽のデメリットは、お手入れの手間。
一日でもお手入れを怠ると、あっという間にヌメリやカビが発生してしまいます。

⑥タイル

下町の銭湯を思わせるタイルも、自宅の浴槽の材質として人気です。
小さなタイルを組み合わせれば、オリジナルの浴槽を作れます。

耐火・耐水性に優れ、強度も高いタイル。
保温性にも優れており、お湯が冷めづらいうれしいポイントも。
タイル表面の汚れや水あか、カビなら簡単に取り除けるのも、メリットですね。

補修が必要な場合も、破損したタイルだけの交換で済みます。
ほかの材質と異なり、総取替する必要がないため、メンテナンス費用も抑えられますよ。

タイル自体は耐久性に優れていますが、意外と見落としがちなのがタイルとタイルの間、目地と呼ばれる部分です。
タイル間はコンクリートなどの素材で埋められていますが、経年劣化によりヒビが入るおそれがあります。
このヒビから水がしみこんで、知らぬ間に浴槽内部にカビが繁殖していたケースもあるため、目地部分のメンテナンスも怠らないようにしましょう。

好みの浴槽を選んで快適なバスタイムを過ごそう

いかがでしたでしょうか。

浴槽を選ぶ際はサイズやデザインだけでなく、湯量や機能性、材質にも注目してください。
きっと好みの浴槽に出会えるでしょう。

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