大理石浴槽は多くの人にとって憧れです。しかし大理石とはどのようなものか、大理石浴槽のメリット・デメリットまで理解している人は多くいません。
このページは、大理石浴槽の基礎知識と主要なメリット・デメリットを解説します。
また取り扱っているユニットバスメーカーとリフォーム工事費用も紹介しますので大理石の浴槽に興味のある方はぜひご参考になさってください。
Contents
大理石浴槽とは
大理石浴槽は人造大理石・人工大理石の2種類に分かれます。
多くの住宅設備メーカーやリフォーム会社はこれら2つを同じように扱っていますが実際は全く異なるものです。
それぞれの特徴を紹介します。
人造大理石
人造大理石は、天然の大理石を細かく砕いて樹脂・セメントなどで固めてできたものです。使用する色は石材によって違いますが、見た目はマーブル状が多くなっています。
人造大理石は仕上げる時に表面の凸凹を削り滑らかにする必要があり、厚さにムラが出る可能性があります。毎日多くのお湯を溜めたり、人が入る負荷を考えると浴槽には不向きです。
人工大理石
人工大理石は、ポリエステル樹脂・アクリル樹脂を使用したものです。
人工大理石は浴槽などでよく使用されており、着色性にも優れているためさまざまのカラー展開があるのも特徴。人工大理石といってもアクリル系・ポリエステル系に分かれます。
アクリル系
アクリル樹脂の中に無機物を混ぜて作られ、特徴は加熱・加圧成型するため、黒ずみ・黄ばみなどができにくくなります。
また、耐候性・耐衝撃性があるため、水回りに多く使用されます。
ポリエステル系
ポリエステル樹脂の中に無機物を混ぜて作られます。
加熱・加圧成型されていますが、ポリエステルの性質から耐熱性がなく、紫外線に弱いのも特徴。そのため黄ばみや反りがアクリル系より現れやすくなります。
大理石浴槽のメリットデメリット
それでは実際にこの大理石浴槽を設置した場合にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット1耐久性が高く汚れも落としやすい
人工大理石は加圧成型する段階で強度が高められています。
そのため浴槽で広く使用しているFRP浴槽よりも浴槽に傷がつきにくく、長く使用できます。
また、浴槽の表面は、滑らかな質感で汚れを落としやすい構造です。
メリット2高級感があり
大理石浴槽は見た目の美しさや高級感から人気を集めています。
さらに最近では色やデザインも豊富。そのため、浴室のイメージや自分の好みによってデザインを選べることができ、浴室全体に高級感が出ます。
デメリット1 FRP浴槽より値段が高い
大理石浴槽は標準装備ではなく、多くの場合標準装備はFRP浴槽となっています。
FRP浴槽から大理石浴槽へ変更したい場合は、オプションとして追加料金10万円程度つくため値段が高くなります。
デメリット2使えない入浴剤がある
一般的に市販している普通の入浴剤は問題なく使用できますが、硫黄が入っている入浴剤は基本的に使用不可です。
入浴剤にこだわりがある方は成分をみてから購入するようにしましょう。
大理石浴槽のメンテナンス方法
大理石浴槽を取り入れたいと考えている方にとって、メンテナンス方法も気になる点ではないでしょうか。大理石浴槽は種類によって、メンテナンス方法が変わります。
天然大理石のメンテナンス方法
天然大理石はマーブル状で赤・黒・緑・ベージュなどの色があります。磨くと美しい輝きがあるため、お風呂では壁や浴槽周囲によく使用します。
しかし、石の中では柔らかい部類で主な成分が炭酸カルシウムのため、塩酸を含んでいる洗剤は注意が必要。輝きがなくなったり、表面が変形したりする原因となります。
そのため、洗剤は中性洗剤を使用し、スポンジでやさしくこすり洗いをする程度にしましょう。
しかし頻度が多いと、石の成分が溶け出し痩せてしまうため注意が必要です。
人工大理石のメンテナンス方法
人工大理石はアクリルやポリエステルの樹脂を成分にし、人工の素材で作られ、天然大理石の粉などは使用していません。
そのため表面が滑らかで、もし汚れがあっても落としやすいのが特徴です。
洗剤は中性洗剤を使用し、柔らかいスポンジでやさしくこすり洗いをして、洗剤が残らないように洗い流します。
お風呂のお湯が温かい時に掃除すると、汚れが緩んでいるため洗剤なしでも綺麗に掃除できます。
人造大理石
人造大理石の浴槽は表面の加工によって掃除の仕方が変わります。
材料に天然素材が使われているため、酸性やアルカリ性の洗剤は避けるのが一般的です。
詳細の情報はマニュアルかメーカーのホームページなどで確認しましょう。
大理石浴槽を選べる、主なユニットバスメーカー品
ここでは、大理石浴槽を使用している主要な設備メーカーについて解説します。
トクラス(TOCLAS)
トクラスの以前までの社名はヤマハリビングテックです。
ピアノを作る鏡面仕上げの技術、 入れた、質の高いデザイン性が魅力。
トクラスは自社工場で製造しているアクリル樹脂を使用しており、他社よりも豊富なカラーバリエーションが売りです。
浴槽自体も、アクリル樹脂のため光沢があり汚れがつきにくい特徴が。
そのため掃除がしやすく、FRP浴槽と比べると保温性も高くなっています。
リクシル(LIXIL)
リクシルはアクリル系の製品で、ユニットバスの種類によってバリエーションがあります。
【ユニットバスの種類】
- クレリア
- 人造大理石クレリアパール
- 最高級人造大理石グランザ
クレリアは、ベース層・コート層・防汚クリア層の3層でできた、ポリエステル樹脂が基材となっています。
キレイを保つために防汚クリア層を施したシンプルな構造です。
人造大理石クレリアパールは、ベース層・コート層・中間層・防汚クリア層の4層でできた、ポリエステル樹脂が基材。
キレイを保つ防汚クリア層に、きらきらと艶やかな質感 を醸し出す中間層を追加することで浴槽を美しく彩ります。
最高級人造大理石グランザは、厚い半透明の層と表面のアクリル鏡面の透明層でできているのが特徴。
美しい輝きを保つ新しい人造大理石で、 高い光沢と深みのある風合いで人気を集めています。
パナソニックの人造大理石の浴槽は、アクアマーブル人造大理石浴槽で、フッ素配合の新素材です。
素材を何層も重ねる技術で、大理石のような深み・デザイン性があります。
また、撥水・はつ油成分を素材にも練りこんでいるため、汚れがつきにくい特徴があります。
大理石浴槽のリフォーム費用
大理石を含む各浴槽のリフォームは浴槽本体の価格・施工費で決まります。
また、タイルの上に単純に置くだけの据置きタイプ・タイルに埋め込まれた埋込みタイプでも大きな違いが。
据置きタイプは、床の解体は不要で、新しい浴槽に取り換えるだけで済みます。
しかし埋込みタイプは、床の解体や補修などが必要のため施工費が高くなるのです。
各浴槽のリフォーム費用は下記を目安にしてください。
大理石浴槽
大理石浴槽の費用は約80万円で、FRPに次いで人気の浴槽です。
大理石浴槽は、滑らかな手触りで透明感があるのが大きな特徴。
耐衝撃性・耐熱性にも優れているため、一度温まると冷めることなく温かさを長くキープできます。
FRP浴槽
FRP浴槽の費用は約20万円です。
この浴槽素材は現在主流となっており、多くの色が発売されています。たくさんの色から選ぶ楽しみもあるでしょう。
また耐久性にも優れており、柔らかく温もりを感じられると評判です。
ホーロー浴槽
ホーロー浴槽の費用は約40万円です。
ホーローの基礎となる素材は金属のため、耐久性に優れており、金属製のため高い保温性があります。
また、表面にコーティングされているガラス質が水気から浴槽を守るため、カビが生えにくい構造です。
大理石浴槽もひとつの選択肢に
大理石浴槽についてご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
リフォームなどで浴槽の変更を考えている場合は、大理石浴槽も視野にいれてもいいかもしれません。
大理石浴槽はメリット・デメリットそれぞれありますが、費用面をクリアすればメリットの方が多く存在することがわかりました。
大理石浴槽のリフォームに関する情報は下記記事にもまとめています。
大理石浴槽に興味のある方は合わせて参考になさってください。