3点ユニットバスを分離する際の注意点

入居者を増やすためにも、3点ユニットバスを分離リフォームしたいと考えている大家さんもいると思います。

お風呂、洗面台、トイレが別々だと窮屈感も少なく、広々自由にお風呂タイムやトイレの時間などを過ごせますよね。

そんな3点ユニットバスの分離リフォームを行う際の注意点はいったい何か?

ここでは、3点ユニットバスを別々にするとき、気を付けたほうがいいポイントをお伝えします。

3点ユニットバスに人気がない?

3点ユニットバスは一時期、ホテルのような見た目で人気のある形でした。

しかし、現在では「バス・トイレ別」の物件を最優先条件にして探す人が多くなりました。

理由として挙げられるのは、湿気がこもりやすいことと入浴中にトイレが使えないことです。

 

ユニットバスの構造上、窓が無いため湿気がこもりやすくなります。

そのため、カビが生えやすいというデメリットがあります。

さらに、トイレットペーパーも湿気により、シナシナになって使えなくなるというのも一因です。

湿気を防ぐために換気扇を回すのですが、それでも限界はあります。

湿気によるカビの発生とトイレットペーパーが使いづらくなることが不人気の理由の1つです。

 

もう1つはお風呂を使っている人がいる間は、トイレが使えなくなることです。

ひとり暮らしであまり来客がないならとくに問題はありません。

しかし、友人や家族を家に招いて泊まることになった時、お風呂とトイレがバッティングするのは困りものですね。

また二人以上で生活する場合には日常的にトイレとお風呂のバッティングが発生することになり、あまりにも頻繁にかぶってしまうとストレスがたまってしまうでしょう。

来客がいると気を使うことが多くなるのが、3点ユニットバスのデメリットです。

 

他にも洗面台の収納スペースの少なさやお風呂を使うと床が濡れることを嫌う人が多く、避けられる傾向にある設備だということは間違いないでしょう。

そのため、3点ユニットバスがある部屋は、最初から入居候補に挙がらないこともあります。

入居希望者を増やすためにできるリフォームが、3点ユニットバスの分離です。

3点ユニットバスリフォームの費用相場(分離・交換)

3点ユニットバスを分離する時に、どのように分離するかによって費用相場が変わってきます。

それぞれどのくらいの料金がかかるのかを確認しましょう。

また、新しい3点ユニットバスに交換をする場合の相場も比べてみましょう。

浴室とトイレを分離:100180万円

浴室とトイレをそれぞれ別の場所に設置するためには、水回りや電気配線などの工事費用がかかってきます。

そのため費用も高額になりやすく、相場は100180万円ほどです。

スペースを確保するための関係上、他の設備も移動する必要がある場合は、さらに金額が上乗せされます。

トイレを別の場所に設置するためには、1畳ほどのスペースを確保する必要があります。

場所としては、押し入れや洋室の1つをトイレとして設置するケースが多いのです。

そのため、2LDKなど間取りに余裕のあるマンションなら、この方法で浴室とトイレを分離させやすくなっています。

 

しかし、ワンルームや1Kのマンションの場合、この方法で分離させるのは難しいでしょう。

「バス・トイレ別」が好条件だとしても、リビングが狭い、収納スペースがないという悪条件により、入居希望者が減ってしまいます。

2人以上で入居希望する方がいる、収納スペースの一部を無くしても問題がない、そのようなマンションに効果がある分離方法です。

また、もともとのお部屋の広さによっても現実的に分離させられない場合があるため、どの程度スペースがあるのかといったことを確認したうえで検討してみるとよいでしょう。

浴室とトイレを壁でセパレート:2030万円

ワンルームや1Kのマンションなどでスペースの確保は難しい、そのような部屋に向いているのがセパレート式の分離方法です。

もともとユニットバスがある場所に、浴槽とトイレの間にしきりになる扉を設置する方法です。

水回りなどの工事が必要ないため、設置費用の工事として2030万円になります。

ユニットバスを壁で区切っただけという印象はありますが、入居者としてはシャワーカーテンよりも安心感と清潔感があります。

リフォームをする大家さん側は、工事期間が23日程度と短い、他の方法よりも安い、「バス・トイレ別」と記載できるのがメリットです。

簡易的かもしれませんが、ワンルームを好条件にして内見者を増やすチャンスがあるリフォーム方法です。

浴槽を除けてトイレとシャワー:約60万円

リフォーム方法の1つとして、浴槽を撤去してシャワー、そしてトイレに分離するという方法があります。

浴槽を撤去すると、余計に人が離れるのではないかと思っていないでしょうか。

学生や20代は、入浴時に浴槽を使わずにシャワーのみ使用するという人も多くなっています。

そのため、若い人向けの物件としては効果のあるリフォーム方法です。

撤去工事や水回りの工事などで、約60万円の費用となります。

「バス・トイレ別」という条件に分類されるので、学生や若い人の入居希望者が増える可能性があります。

しかし、年齢層が高めの方は浴槽を使用したい人が多く、このリフォーム方法が逆効果になることがあるので、入居者の年齢層の確認が必要です。

新しい3点ユニットバスに交換をする:4675万円

今あるユニットバスから新しいものに交換をする場合は、4675万円が相場です。

設備を新しくしなくても入居希望者が多い、劣化した設備交換するだけで十分、という場合は工事をする必要はありません。

無理に工事をしてスペースを圧迫するよりも、新しいものに交換して清潔感を宣伝するのも1つの手です。

交換する際も、デザインがおしゃれなもの、掃除がしやすいものなどニーズに合ったものを選ぶと入居者の獲得に繋がります。

バス・トイレを分離するか、交換するかは、費用対効果を考えてリフォームをしましょう。

3点ユニットバスの分離リフォームの2つの注意点

3点ユニットバスを分離するリフォームをするうえで、注意したほうがいいポイントを解説します。

1.トイレを造れるスペースがあるか

3点ユニットバスを分離するときにまず問題になるのが、トイレを設置するスペース。

通常、分譲マンションの場合、トイレの内寸は約0.4坪、1㎡程度。

周辺の壁なども考慮すると、1畳分ぐらいのスペースは欲しいです。

このスペースが確保できなければ、3点ユニットバスの分離リフォームは実現しません。

分離リフォームを計画する際は、まずトイレのために割けるスペースがあるかどうかを確認しましょう。

2.水回りの移動が可能か

3点ユニットバスの分離リフォームを行う際、水回りの移動は付き物。

しかし、アパートやマンションによっては、水回りを動かせない物件もあります。

 

このような場合、トイレの移動は不可能。

動かせたとしても、大掛かりな工事が必要なうえ、費用もけっこうかかるため、以下のような代替案を考えることもおすすめします。

 

◆水回りを動かせないときのリフォーム方法◆

(1)セパレートで仕切る

トイレの部分にだけセパレートを設置して、お風呂場と分ける方法もあります。

洗面所もある場合、洗面台の撤去費用がかかりますが、それがなければ工期も2~3日程度で、費用も20万~30万円ほどで収まります。

 

(2)浴室をシャワールームに造り替える

若い人を中心に「湯船には浸からない」といった人たちも一定数います。

そのような人たち向けに、思い切って浴槽は撤去し、シャワールームにするのも、一つのリフォーム方法です。

3点ユニットバスのリフォームで失敗しないコツ

リフォームは高額な費用がかかるので、失敗したくはありません。

設備の更新で失敗してしまわないために、チェックしておくべきことを確認しましょう。

コツ1:見積もりは必ず複数のリフォーム業者から

リフォーム内容が同じでも、業者によって値段は変わります。

また、工事内容や期間がしっかり記載されていて信頼できるかという面を確認するためにも、見積もりは複数の業者に依頼しましょう。

費用が安くなるリフォーム業者は、地元の工務店です。

業者からの提案は少なめで、品質は業者によってばらつきがあるので、実際に依頼した人のレビューを見るなどの対策が必要です。

中堅、大手のリフォーム業者は、デザインなどの提案もしてくれます。しかしその分費用が高くなる傾向があるので、デザインにこだわらないリフォームなら中堅、または地元の工務店に依頼したほうが良いでしょう。

見積もりを見比べることで最適な業者が見つかりやすくなります。

コツ2:リフォームしたら物件情報の更新を

リフォームが終わったら、すぐに物件情報を載せているところの情報を更新しましょう。

いち早く入居してもらうためには、入居希望者に興味を持ってもらわなければいけません。

リフォームをしたこと、リフォーム後の写真も掲載するとより高い宣伝効果に繋がります。

やはり設備が新しい物件の方が、お部屋探しをしている方にとっては当然人気が高くなります。

とくに写真や内装が見える映像は、入居希望者の注目が集まる情報です。

早い段階で情報を更新しておくことでより多くの人の目に触れるため、設備の更新作業が決まったら「更新予定」の内容を更新し、新しくなったら写真や内装が見える映像などを早めに用意し、更新することでより多くの人にアピールできるでしょう。

コツ3:費用対効果を考える

リフォームをする前に、このリフォームで入居希望者が来るか、物件の価値が上がるかどうか費用対効果をよく考える必要があります。

確かに「バス・トイレ別」は入居希望者が多くなる人気の設備です。

ですが、そのリフォームで入居率が上がるのか、リフォーム費用をまかなえるだけの家賃が回収できるのかという問題があります。

先にも説明したとおり、費用が最も安いものでも20万円以上、方法によっては100万円以上かかるなかで、かかった費用をどのくらいで回収できるのかといったことはしっかりと検討しておく必要があるでしょう。

また3点ユニットバスのままでも、リフォームせずに別の対策やアプローチする人を変えることによって入居希望者が来る可能性もあります。

リフォームによって入居希望者が増える効果があると思ったら、リフォームを進める準備をしましょう。

もっと浴室リフォームに関する情報を知りたい場合は?

浴室リフォームはまとまった費用がかかるため、十分に情報を集めておくことが重要です。

あとから「こんなはずでは」とならないように、いろいろ調べておくことをおすすめします。
下記記事では、浴室リフォームをする際に知っておきたい情報をまとめています。

気になる方はぜひ参考になさってください。

「お風呂をリフォームするとき知っておきたい注意点とは」

3点ユニットバスの分離リフォームをする際は、注意が必要

3点ユニットバスの分離リフォームの注意点は分かりましたか?

3点ユニットバスをバラバラにすることで、入居希望者の増加が期待できますが、リフォーム方法によっては多額の費用がかかってしまったり、そもそもリフォーム自体が不可能だったりもします。

分離リフォームを行う際は、業者とよく話し合い、適切に対応していきましょう。

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