浴室リフォームの3種類の補助金と受け取れる条件

「浴室のリフォームをできるだけ安くしたい」と思う方は多いでしょう。安くする方法の一つに、補助金があるのをご存知でしょうか。

今回は、浴室リフォームで利用できる補助金と、受け取れる条件や注意点について詳しくご紹介します。

 

種類①介護保険

介護保険とは、要支援・要介護認定されている方を対象に支給している国の保険制度です。

浴室リフォームにも介護保険が適用されます。

ただし、適用されるのは、介護に関係するリフォームのみです。対象となるリフォームの具体例は以下のようなものが挙げられます。

 

  • 浴槽をまたぎやすいものに交換する
  • 手すりを取り付ける
  • 脱衣所と浴室の段差をなくす

 

以降では、利用のための条件と注意点、補助金額や補助率について詳しく解説します。

 

利用のための条件・注意点

介護保険適用となる条件は、以下通りです。

 

【対象者】

介護保険の対象者となる条件は、利用者が要支援・要介護認定を受けていて、改修を行う住宅に居住していることです。

利用者が入院、または福祉施設等に入居している場合は対象外となります。

 

【対象となるリフォーム内容】

介護保険の対象となるリフォーム内容は、工事費20万円以下の介護にかかわるリフォームです。

介護保険を利用して浴室リフォームを行う場合、ケアマネージャーを通して申請してもらわなければなりません。申請の手続き準備や話を進める前に、まずは担当のケアマネージャーに相談しましょう。

 

また、要支援・要介護認定をまだ受けていない方もいるでしょう。

そのような場合は、お住まいの地域の役所や地域包括センターに、浴室リフォームと介護保険を検討している旨を伝えて相談してみましょう。

 

補助金額・補助率

介護保険を利用して工事ができるのは、工事費上限20万円と決まっています。

その内の、利用者の所得(介護保険自己負担割)に応じて7〜9割が支給される仕組みです。つまり、最高18万円受け取れます。

 

原則、利用者一人につき1回までとされていますが、20万円に到達するまで数回利用できます。例えば、3万円の浴室リフォームをしたのち17万円までの範囲であれば、再び介護保険を利用した浴室リフォームが可能です。

工事費20万円使い切ったあと絶対に利用できなくなるのかといわれたら、そうではありません。もちろん条件はありますが、再び工事費20万円が上限で支給されます。

条件は、以下の通りです。

 

  1. 要介護状態区分が3段階以上上がった場合
  2. 転居した場合(転居先が新築の場合は認められない)

 

上記2点のいずれかに該当する場合は、再びケアマネージャーを通して申請ができます。

 

種類②地方自治体の補助金や助成金

補助金や助成金の金額や条件は、地方自治体によって異なりますので、ご自身が現在住まわれている地域の自治体に相談し聞いてみましょう。

今回、例として紹介している地方自治体の補助金や助成金の種類は以下の通りです。

 

  • 横浜市:住まいのエコリノベーション(省エネ改修)補助制度
  • 横浜市:横浜市高齢者等住環境整備事業
  • 鎌倉市:重度障害者住宅設備改造等に対する補助制度

 

以降で詳しく解説します。

例①横浜市:住まいのエコリノベーション(省エネ改修)補助制度

住まいのエコリノベーション(省エネ改修)補助制度とは、脱炭素社会の実現に向け、「省エネ」かつ「健康」な住まいを普及させる目的で作られた制度です。つまり、住宅全体の断熱性の確保のためのエコリノベーションのリフォームに適用されます。

例えば、浴室や浴槽に断熱性を導入するリフォームをする場合に、住まいのエコリノベーション(省エネ改修)補助制度の利用が可能です。

 

以降では、利用のための条件と注意点、補助金額や補助率について詳しく解説します。

利用のための条件・注意点

【対象者】

住まいのエコリノベーション(省エネ改修)補助制度の対象者となる条件は、以下のいずれかに該当する方です。

 

  1. 住宅の所有者、賃貸住宅管理者
  2. 住宅の所有者、賃貸住宅管理者
  3. 自治会・町内会館を管理する自治会、町内会、地区連合町内会
  4. 共同住宅の集会所等を管理する組合

 

住宅の所有者名義でない方が申請をするケースがありますが、その場合は申請をしても受け取ってもらえないため注意しましょう。

【対象となるリフォーム内容】

住まいのエコリノベーション(省エネ改修)補助制度の対象となるリフォーム内容は以下の通りです。

 

  • 横浜市内にある住宅、自治会・町内会館及び共同住宅の集会所など(寮・社宅は対象外)の断熱リフォーム
  • 耐震性能がある住宅その他の建築物として(1)または(2)いずれかに該当するもの
  • (1)昭和56年6月1日以降に建築確認を得て着工したもの
  • (2)平成18年国土交通省告示第185号に準ずる耐震基準に適合させるためのリフォームが施工されているもの(エコリノベーションなどの工事が完了するまでに、耐震改修の施工が完了するものを含む)
  • 工事金額が税込で100万円以上になり、横浜市内の事業者(本社・本店が横浜市内)へ発注している

 

温暖化対策のためのリフォームですので、太陽光パネルのリフォームなど断熱とは関係がないリフォームは対象外となります。

また、工事金額が税込で100万円以上になる場合は、横浜市内の事業者かつ本社や本店が横浜市内にあるところへ発注しなければならないので注意しましょう。

補助金額・補助率

住宅の浴室を断熱リフォームした場合の補助金額は100万円、賃貸住宅は60万円となっています。

 

例②横浜市:横浜市高齢者等住環境整備事業

 

「横浜市高齢者等住環境整備事業」とは、支援や介護を必要とする高齢者などが自宅で生活を送れるよう、アドバイスに基づき実施されるリフォーム費用を一部助成する制度です。

対象となるリフォームの具体例は以下のようなものが挙げられます。

 

  • 手すりの取り付け
  • 段差をなくす
  • 移動しやすい床材等への変更
  • 引き戸などへ扉を変更
  • 洋式便器等への便器交換
  • 出入口の拡張
  • 玄関から道路に出るまでの段差の緩和やスロープの設置

 

こちらも、利用のための条件と注意点、補助金額や補助率について説明します。

 

利用のための条件・注意点

【対象者】

横浜市高齢者等住環境整備事業の対象者となる条件は、以下の通りです。

 

高齢者の場合:市内在住の介護保険被保険者で要支援1・2または要介護1~5に認定された方</li>

障害児・者の場合:以下(1)~(3)のいずれかに該当する方

 

  • (1)身体障害者手帳1級または2級を取得した方
  • (2)知能指数35以下の方
  • (3)身体障害者手帳3級を取得した方で、かつ知能指数50以下の方(65歳に達した日以降に障害者手帳を取得した方は対象外となる)

 

介護保険の被保険者で要支援認定や要介護認定を受けていない方は、お住まいの地域の役所や地域包括センターに、浴室リフォームと介護保険を検討している旨を伝えて相談してみましょう。

【対象となるリフォーム内容】

横浜市高齢者等住環境整備事業の対象となるリフォーム内容は、日常生活動作の補完や介護者の負担を減らすためのリフォームです。

介護保険を利用したリフォームと同じように、高齢者や障害者の方や介護者が快適に過ごせるためのリフォームのみに適用となるため注意しましょう。

 

助成金額・助成率

 

横浜市高齢者等住環境整備事業の助成限度金額は、100万円となっています。ただし、介護保険の利用が優先されます。

また、横浜市高齢者等住環境整備事業の助成を受けられるのは、原則1回です。

 

例③鎌倉市:重度障害者住宅設備改造等に対する補助制度

「重度障害者住宅設備改造等に対する補助制度」とは、在宅で介護をしている重度障害者が、より快適に過ごすためのリフォーム費用を一部助成する制度です。

対象となるリフォームの具体例は以下のようなものが挙げられます。

 

  • 介護向けユニットバスに変更
  • リフト浴に浴槽交換
  • 手すりの取り付け
  • 浴室の出入口拡張
  • 浴室と脱衣所の段差をなくす

補助制度を利用するための条件と注意点、補助金額や補助率について詳しく解説します。

利用のための条件・注意点

 

【対象者】

重度障害者住宅設備改造等に対する補助制度の対象者となる条件は、以下の通りです。

 

下記の(1)~(3)いずれに該当する方

 

  • (1)身体障害者手帳1級・2級の交付を受けている方
  • (2)指数35以下と判定された知的障害のある方
  • (3)身体障害者手帳3級で指数50以下と判定された知的障害のある方
  • 18歳以上65歳未満で、下肢または体幹機能障害により身体障害者手帳1級・2級の交付を受けた方は、市長が措置の必要性を認めた場合に適用
  • 18歳以うえで、四肢体幹機能障害により身体障害者手帳1級・2級の交付を受けた方は、市長が措置の必要性を認めた場合に適用

 

身体障害者手帳の1級・2級をもっていたとしても、下肢または体幹機能障害をもっている方や四肢体幹機能障害をもっている方は、市長の判断が必要となるため注意しましょう。

【対象となるリフォーム内容】

重度障害者住宅設備改造等に対する補助制度の対象となるリフォーム内容は以下の通りです。

 

  • 障害内容に合わせた住宅設備(浴室・便所・玄関等)の改造
  • 天井走行式移動リフトの設置
  • 環境制御装置の設置

 

天井走行式移動リフトの設置は、重度障害者住宅設備改造等に対する補助制度にて適応されています。ご検討されている方は、浴室のリフォームと一緒に相談してみるとよいでしょう。

補助金額・補助率

重度障害者住宅設備改造等に対する補助制度の補助金額は、浴室など住宅設備の改造の場合、60万円です。

補助率は所得によって変動し、助成上限額の1/3〜全額自己負担があります。

また、介護保険対象者は介護保険制度が優先となります。

 

種類③国の補助金・助成金

2022年から新設された、国の補助金・助成金の「こどもみらい住宅支援事業」をご存知でしょうか?

こどもみらい住宅支援事業とは、18歳未満のお子さんがいるまたは夫婦のどちらかが40歳未満の世帯が、新築したりリフォームしたりする際に出る補助金制度です。

ですが、対象者について今までご紹介してきた制度とは異なり、こどもみらい住宅支援事業ではリフォームをする際は全世帯が対象です。

ただし、浴室を含むリフォームにこどもみらい住宅支援事業の補助を利用したい場合は、リフォームに加えなければならない項目があります。以下で条件や注意点を詳しく見ていきましょう。

利用のための条件・注意点

【対象者】

こどもみらい住宅支援事業の対象者となる条件は、以下の通りです。

 

  • リフォーム住宅の所有者
  • リフォーム住宅の居住者
  • リフォーム住宅の管理組合・管理組合法人
  • 全世帯(リフォームのみ)

 

浴室を含むリフォームはどの世帯も対象となりますので、まずリフォームの補助金はこどもみらい住宅支援事業を検討してもよいでしょう。

【必須のリフォーム内容】

こどもみらい住宅支援事業を受けるにあたって、以下の条件いずれかが必須となります。

 

  • 窓・ドアの断熱(ガラス交換・内窓設置・外窓交換・ドア交換)
  • 外壁・屋根・天井・床の断熱
  • エコ住宅設備の設置(太陽熱利用システム・節水型トイレ・高断熱浴槽・高効率給湯機・節湯水栓)

 

浴室のリフォームをするのであれば、高断熱浴槽や高効率給湯機あたりを組み込むと、冬でも暖かい浴室をキープしたり節約になるためいいでしょう。

 

補助金額・補助率

補助金額は、以下の通りです。

 

  • 子育て世帯・若者夫婦世帯:上限45万円
  • その他の世帯:安心R住宅を購入してリフォーム上限45万円/前述以外は上限30万円

 

申請はリフォームを依頼する方ではなく、施工業者が行います。そして、補助金を交付してもらえるのも施行業者宛です。

補助金をどうするのか、リフォーム工事代金から補助金額を差し引いておくのかなど、施工業者と話し合っておきましょう。

また、申請期限までに工事が完了しなければならない点も気をつけてください。

 

補助金をうまく利用してリフォームの費用を抑えましょう

今回は、浴室リフォームの補助金を受け取れる条件についてご紹介しました。

介護保険などの障害者や高齢者を対象としたリフォームの補助が多く存在しています。

しかし、こどもみらい住宅支援事業であれば必須のリフォームもありますが、全世帯を対象に補助が受けられます。

ご家庭の環境に応じて補助制度をうまく利用し、リフォーム費用をお得にしましょう。

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