ホーロー浴槽の交換にかかる費用相場は?メリット・デメリットも

ホーロー は、金属素材の上にガラス質の釉薬(ゆうやく)を高温で焼きつけた素材です。
金属の強度と見た目の美しさを併せ持ち、浴槽以外にも保存容器やケトルなどに使用されています。

本記事では、ホーロー浴槽の特徴と交換費用の相場を中心に解説します。
ホーロー浴槽のメリット・デメリットや、代表的なメーカーも紹介。
浴槽のリフォームをお考えの方は、ぜひご覧ください。

ホーロー浴槽の特徴

キッチン周りでホーロー素材が多く使われている印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ホーローは、鉄やアルミニウムなどの金属の表面に、ガラス質の釉薬を高温で焼きつけた素材です。
金属の強度を保ちながら、表面がガラス製で美しいという特徴があります。

悪臭や菌の付着の予防、お手入れのしやすさ、耐久性の良さから、キッチンや浴室などの水回りでよく見かけるでしょう。
浴室では浴槽の素材としても利用されていますが、内部の金属によって「鋼板タイプ」と「鋳物タイプ」に二分されます。
一般的に、鋳物タイプの方が重く、耐久性に優れていると言われています。

ホーロー風呂・浴槽の交換費用相場

耐久性に優れ、見た目も美しいホーロー製の浴槽。
浴槽を交換する際に、ホーロー風呂を検討する方も多いでしょう。

ホーロー風呂に限らず、浴槽交換には浴槽の本体価格と工事費用がかかります。
今回はホーロー風呂以外に、「人工(人造)大理石」や「FRP(繊維強化プラスチック)」などの一般的な素材の浴槽の価格も紹介します。

浴槽の本体価格

今回は、一般的に浴槽の素材として使用される「人工(人造)大理石」と「FRP(繊維強化プラスチック)」とホーロー風呂の本体価格を比較します。

素材 浴槽の本体価格
ホーロー 8~135万円
ポリエステル系人工(人造)大理石 2~40万円
アクリル系人工(人造)大理石 30~120万円
FRP 1~35万円

ホーロー風呂の価格にはかなり幅がありますが、とくに15~110万円台の製品が多い傾向です。

人工(人造)大理石は成分によってポリエステル系とアクリル系の2つのタイプに分けられます。
高価なアクリル系の方がなめらかな質感を有し、ホーローに近いと言われています。

FRPは費用を抑えられますが、傷がつきやすいのが難点です。
なめらかな質感を長く維持したい方には不向きでしょう。

浴槽の交換工事の値段

基本的に浴槽交換の工賃は、10万円前後が相場と言われています。
しかし、浴槽の搬出入作業や下地など浴槽周囲の補修作業の費用が追加されるケースが多く、4~20万円あたりを考えておいた方が無難でしょう。

詳しくは後述しますが、鋳物ホーローの場合はさらに工事費用が高額になる場合があります。
必ずリフォーム業者に見積を依頼して、予算と照らし合わせたうえで浴槽の素材を検討しましょう。

ホーロー浴槽のメリット

ホーロー風呂のメリットを4点紹介します。

  1. 肌触りが良い
  2. 汚れやカビが付着しにくい
  3. お手入れしやすい
  4. 保温性が高い

一つずつ詳しく見ていきましょう。

①肌触りが良い

ホーロー風呂を選ぶ方の多くが、そのなめらかな肌触りを決め手にしています。
ホーロー独特の肌触りの良さは、ほかの素材では感じられません。

ガラス質の釉薬を焼きつけているため、光沢や色合いが美しい点も魅力でしょう。

②汚れやカビが付着しにくい

ホーローは、ガラス質の釉薬を高温で焼きつけて作っている硬質の素材のため、汚れや傷がつきにくいメリットがあります。
浴槽の傷はカビの温床となりやすいため、傷つきにくいホーロー風呂を選べばカビに対する不安を軽減させてくれるでしょう。

③お手入れしやすい

汚れや傷がつきにくい特徴を持つホーロー風呂は、お手入れのしやすさも魅力。
シャワーで洗い流し、水拭きをするだけできれいになります。

ポリエステル系人工(人造)大理石やFRPの浴槽は摩擦に弱く、傷がつきやすいため、タワシや硬いブラシを使用できません。
しかし、ホーロー風呂なら使用可能です。
頑固な汚れがついた場合でも、しっかり落とせますよ。

④保温性が高い

とくに鋳物ホーローの場合、保温性の高さが特徴の一つに挙げられます。
人気のキッチングッズ『バーミキュラ』も鋳物ホーロー製の鍋であるため、その保温性の高さがうかがえるでしょう。

鋳物ホーロー製の浴槽は、その遠赤外線効果や熱伝導率の高さからお湯が冷めにくいメリットがあります。
浴槽全体にあたたかさが伝わるため、お湯につかっていない部分も含め、全身をしっかりあたためられるでしょう。

ホーロー浴槽のデメリット

ホーロー風呂のデメリットを5点紹介します。

  1. サビやすい
  2. 浴室の場所によっては不向き
  3. 導入費用が高額
  4. 機能の後付けが難しい
  5. 施工業者が少ない

一つずつ詳しく見ていきましょう。

①サビやすい

ホーローは金属の表面にガラス質の釉薬を高温で焼きつけた素材のため、経年劣化によりガラス質の釉薬が剥がれてしまうと、内部に水が浸入して金属部分をサビさせてしまいます。
一方、FRPはプラスチック製のため、経年劣化してもサビるケースはほぼありません。

一般的に、鋼板タイプよりも鋳物タイプのホーロー風呂の方がサビにくいと言われています。
費用はかさみますが、サビが気になる場合は鋳物タイプを選びましょう。

②浴室の場所によっては不向き

丈夫さが売りの鋳物タイプ。
鋳物ホーロー風呂は浴槽本体だけで100kgを超えてしまう場合もざらにあります。
2階以上の浴室へ設置するのは不可能ではありませんが、その分工事費用がかかると覚えておきましょう。

FRPや人工(人造)大理石は軽量で、場所を選ばずに設置できます。
浴室が2階より上にある場合は、鋳物ホーロー以外を選んだ方が良いかもしれません。

③導入費用が高額

ホーロー風呂の中でも、耐久性に優れた鋳物タイプの本体価格はかなり高額です。
重量もあるため、工事費もその分かさむでしょう。

④機能の後付けが難しい

追い焚き機能やバブルバスなどの機能を後付けするには、ホーロー風呂は不向きです。
機能を後付けする際、浴槽に穴を開ける工事が必要になるためです。
ホーロー製の浴槽に穴を開けると、内部の金属が剥き出しになり、その部分からサビが発生しやすくなってしまいます。

また、鋳物タイプは100kg以上の重量があるため、持ち上げが困難です。
バブルバスなど、浴槽を持ち上げての作業が必要な機能の後付けは難しいでしょう。

機能の後付けを考えている場合は、FRP製の浴槽がもっとも向いています。
ホーロー風呂に機能を付けたい場合は、設置時に付けておいた方が良いでしょう。
鋳物タイプは保温性に優れているため、追い焚き機能は不要とリフォーム業者から提案されるケースもしばしばあるようです。

⑤施工業者が少ない

独特の質感や風合いが人気のホーロー風呂ですが、実は製造・販売しているメーカーや施工できる業者が少ないというデメリットがあります。
補修やメンテナンスもホーローに関する知識・技術を持った業者が行わなければいけません。

ホーローに似た質感を持つ、アクリル系人工(人造)大理石の浴槽を勧める業者も増えています。
本当にホーロー製の浴槽でなければならないか、よく検討したうえで決めましょう。

代表的なホーロー浴槽のメーカー

デメリットの部分でも紹介したように、ホーロー製の浴槽を製造・販売しているメーカーは限られています。
今回はホーロー風呂を検討している方に向けて、ホーロー風呂を取り扱っている代表的なメーカー4社を紹介します。

  • タカラスタンダード
  • ダイワ(大和重工)
  • KALDEWEI(カルデバイ)
  • BETTE(ベッテ)

取り扱っているホーロー浴槽の特徴も併せて、一社ずつ詳しく見ていきましょう。

タカラスタンダード

日本国内でホーロー浴槽を取り扱う最たるメーカーが、タカラスタンダードです。
高級ホテルにも採用されている、最上級の鋳物ホーロー風呂を販売しています。

表面のなめらかさはアクリル系人工(人造)大理石のおよそ1.5倍、FRPのおよそ5倍とも言われており、ホーローの質感を楽しみたい方向けの浴槽です。

ダイワ(大和重工)

ダイワ(大和重工)は江戸時代創業の老舗鋳造メーカー。
職人から職人へ代々受け継がれる伝統的な技術を用いて、タカラスタンダード社製品に劣らないなめらかさの鋳物ホーロー風呂を製造・販売しています。

表面を透明な釉薬で仕上げており、変色にも耐えうる耐久性の高さを実現。
見た目の美しさだけでなく、機能性にも優れたホーロー風呂を取り扱っているメーカーです。

KALDEWEI(カルデバイ)

鋼板ホーロー風呂専門のドイツのメーカー、KALDEWEI(カルデバイ)。
世界で初めて、一枚の鋼板から継ぎ目なしのホーロー風呂を作り上げたメーカーです。

肌触りの良さや独特の光沢の美しさに加え、デザイン性の高さも魅力の一つ。
ヨーロッパのトップブランドとして、世界中の高級ホテルにホーロー浴槽を送り出しています。

BETTE(ベッテ)

KALDEWEI(カルデバイ)と同じく、ドイツの鋼板ホーロー風呂メーカーです。
追い焚き機能を付けられるタイプなど、一般家庭のニーズにこたえる鋼板ホーロー浴槽を販売しています。

使用する鋼板はチタンを含んでおり、強度の高さとなめらかな曲面を実現。
軽量化にも成功し、木造住宅の2階以上の浴室にも設置可能です。
デザインやサイズも豊富で、500種類以上の鋼板ホーロー風呂を展開しています。

ホーロー風呂の導入は必ず業者に相談しよう

いかがでしたでしょうか。

メリットとして質感の良さやお手入れのしやすさが挙げられる反面、設置場所に制限があるホーロー風呂。
導入費用も高額で、追い焚き機能などの後付けも難しいと言われています。

もしホーロー風呂を検討されているなら、まずは業者に見積を依頼しましょう。
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